ハッピーセット転売で食品が捨てられる理由

ハッピーセットの転売騒動で、ハンバーガーやポテトが大量に捨てられているって話、聞いたことありませんか?

ポケモンカードやちいかわなど、人気キャラクターのおもちゃが目当てで購入する人たちが、食べ物を手つかずで廃棄している光景がSNSで話題になっています。

なぜこんなことが起きているのか、その理由を詳しく調べてみました

転売ヤーにとって食品は「ゴミ」扱いなの?

ハッピーセット転売で食品が捨てられる最大の理由は、転売する人たちにとってハンバーガーやポテトが完全に不要な「ゴミ」として扱われているからです。

おもちゃを手に入れることが唯一の目的なので、食べ物の価値はまったく考慮されていません。

実際にSNSでは、おもちゃだけを抜き取って、ハンバーガーやポテトが入ったままの袋を店内のゴミ箱に大量投棄する様子が投稿されています。

転売目的で20個や30個も購入する人たちは、当然すべてを食べきることができないため、手を付けずにそのまま捨ててしまうのです。

このような行為は、食品を「商品」ではなく「おまけの邪魔なもの」として扱っている証拠で、食べ物への敬意が完全に失われた状況といえるでしょう。

子供向けメニューだから大人が食べられないの?

ハッピーセットで食品が捨てられやすい理由として、メニュー構成にも問題があります。

ハッピーセットのバーガーは、チキンマックナゲット、チーズバーガー、ハンバーガー、プチパンケーキなど、基本的に子供向けのメニューのみとなっています。

ビッグマックやてりやきマックバーガー、フィレオフィッシュなど、大人が好む定番メニューはハッピーセットでは選択できません。

そのため、おもちゃ目的で購入する大人にとって、バーガーの選択肢が物足りなく感じられ、複数購入するほど廃棄する人が増える構造になっています。

マクドナルド側もこの状況を把握していると考えられますが、「子供向けの商品だから仕方がない」という認識で、大人の大量購入時の食品廃棄リスクを十分に考慮していなかった可能性があります。

どのくらいの食品が実際に捨てられているの?

今回のポケモンカード騒動で発生した食品廃棄量は、推計で約2万〜3万食分に及ぶとされています。

この数字は、全国の店舗のうち騒動の影響があった約1,000店舗で、1店舗あたり20〜30食が廃棄されたと仮定して算出されました。

廃棄処分にかかるコストは推計200〜450万円で、環境面でも深刻な影響があります。

食品廃棄1kgあたり約2.5kg-CO₂が排出されるため、今回の騒動だけで推計25〜37.5トンものCO₂が無駄に排出されたことになります。

・廃棄食数:約2万〜3万食分
・処分コスト:200〜450万円
・CO₂排出量:25〜37.5トン

これらの数字を見ると、おもちゃ一つのために、どれだけ多くの食べ物と資源が無駄になっているかがよくわかります。

マクドナルドにはどんな悪影響があるの?

ハッピーセット転売騒動は、マクドナルドのブランドイメージに計り知れないダメージを与えています。

最も深刻なのは、「ハンバーガーは捨てるもの」という印象が消費者に植え付けられてしまうことです。

純粋にハッピーセットを購入したい親子連れが買えなかったり、長時間並ばされたりすることで、顧客満足度も大幅に低下しています。

また、マクドナルドが公式にPRしているSDGsやフードロス削減への取り組みと、実際に起きている大量廃棄の矛盾も指摘されています。

「言っていることとやっていることが違う」という批判の声も上がっており、企業としての信頼性を大きく損ねる結果となっています。

毎回同様のトラブルが繰り返されているため、「ホントに対策する気があるのか」という疑念まで持たれているのが現状です。

食べ物を大切にする気持ちを忘れずに

ハッピーセット転売で食品が捨てられる理由を調べてみると、転売ヤーの利益優先の考え方と、メニュー構成の問題、そして企業側の対策不足が複雑に絡み合っていることがわかりました。

何万食もの食べ物が無駄になっている現実は、ホントにもったいないと思います。

人気キャラクターのおもちゃが欲しい気持ちはわかりますが、食べ物を粗末にしてまで手に入れるべきものではありません。

マクドナルドには根本的な解決策を期待したいですし、購入する側も食べ物への感謝の気持ちを忘れずにいたいですね。