西川貴教さんが、大みそかの紅白歌合戦に12年ぶりに出る、というニュース!しかも紅白で「HOT LIMIT」を歌うのは、これが初めてらしい。
わたしもYouTubeで、THE FIRST TAKEのあの「HOT LIMIT」を見た1人。でも同じころ、口パクでは?という指摘が出ていたのが、ずっと引っかかっていました。
結論、口パクだと決められる証拠は見つかりませんでした!ただ、公式が生歌だと説明したわけでもなく、決着はついていないまま。
じゃあ、なぜ口パクだと言われたの? 本人は、なんと返したの?
紅白出場は、THE FIRST TAKEのおかげ?
西川貴教、12年ぶり6度目の紅白へ。「HOT LIMIT」は紅白で初めて
2026年11月7日にスポニチが報道。2014年以来の出場で、1998年発売の「HOT LIMIT」を紅白で初めて歌う予定。THE FIRST TAKEで公開3日で1,000万回再生、9月にはサブスクで1億回を超えた「今年を代表するリバイバルヒット曲」と紹介。(スポーツニッポンの報道より)
タイミング的にも、ほかに理由が見当たらない、というのがわたしの最初の感想。再生数もすごかったし、やっぱりTHE FIRST TAKEのおかげだと思いました。ちなみにNHKの正式な出場歌手の発表は例年11月中旬(去年は11月14日)なので、2026年の11月はじめの時点では、まだ新聞の報道の段階です。

もともと存在感の強い人だけど、最近は歌より筋肉の話題が多かった気がします。調べてみると体づくりは本格的で、年代別の体の大会「ベストボディ・ジャパン」では2020年に50代の部で優勝、2021年に2連覇。THE FIRST TAKEでも「声量オバケ」とも言われる歌声と一緒に、鍛えた体が話題になったと音楽ニュースサイトが書いていて、歌より筋肉で話題だった人が、歌でもう一度見つかった、という感じです。
ただ、スポニチの記事を読むと、紅白側の事情もありそう。若者向けの番組作りで視聴率が伸び悩み、最近はテレビを見る習慣のある中高年に照準を合わせていて、一昨年のTHE ALFEEや昨年のTUBEのような「返り咲き」を大事にしているのだとか。局関係者は「西川さんは30、40代にはドンピシャ」と話していたそうで、中高年狙いかぁ、と納得。HOT LIMITを当時聴いていた世代には、たしかにドンピシャです。
それに今は、ネットで人気が戻るのも珍しくない時代。わたしの記憶にあったのが、THE FIRST TAKEで人気が戻ったラップグループで、調べるとnobodyknows+でした。2022年6月公開の「ココロオドル」が1週間で570万回再生。5〜7人くらいだと思っていたら、出ていたのはオリジナルメンバーの6人。10年以上前ならテレビの力だったけど、今はネット経由で人気が復活するんですよね。
口パクだと言われた根拠は、何だった?
指摘が出たのは、動画の公開から2日後の7月12日。ある音楽関係者が、ほかの人が作った比べ動画を引いて、口パクだとXに投稿しました。わたしも最初は、え、口パク?と驚いたし、言い方がかなりきつかったのもあって、証拠あるの?と気になって動画を見に行ったくらいです。
根拠は、口が当たっているのに「当たった音」が入っていないこと
歌う口が、マイクの前の丸い網(ポップガード=息がマイクに直接当たるのを防ぐ道具)に当たっているのに、当たった音が聞こえない、という指摘。投稿の閲覧は1,300万回を超えたとも伝えられている。(Webメディアの記事より)
わたしの記憶では、息の音が入っていない、という指摘だったけど、正しくは網に当たる音。記憶ちがってました。言い方は別の問題で、根拠は一応あったわけです。

とはいえ、SNSでは技術的な反論も見かけました。声がとても大きい人を録るときは、音が割れないように録る音量を下げて、当たった音のような低い音はカットするから、入らなくてもおかしくない、という説明。反論も筋が通っていて、正直、素人のわたしには判断できません・・・。
THE FIRST TAKEは、どうやって録っている?
伴奏は1998年の発売当時と同じ録音、歌は一発撮り
「HOT LIMIT」は、「楽曲発表当時とまったく同じバックトラック」(伴奏の録音)に乗せて、一発撮りで披露。チャンネルのルールは「一発撮りのパフォーマンスをすること」、ただ一つ。(ORICON NEWS・THE FIRST TAKEの紹介より)
つまり、その場で生なのは歌だけ。さらに企画のクリエイティブ・ディレクターの清水恵介さんは、2021年のインタビューで、足音や唾を飲む音、服がこすれる音も「全部録音されて」いると話していました。じゃあ網に当たる音は?と思ってしまうけど、今回の動画についての話ではないので、決め手にはなりません。

そういえば、THE FIRST TAKEは録ったあとに直している、という話を前に聞いたような気がして、それも調べてみました。でも出てきたのは、出典の書かれていないネットの記事の説明や、海外の分析動画が音程の補正を指摘した、という記述くらい。公式やスタッフが編集や補正について話した発言は見つからず、うわさ止まりです。
それに、よく考えると、口パクと、録った歌をあとから整えるのは、まったく別の話。口パクはその場で歌っていないことで、整えるのは歌ったものに手を入れること。CDだってそういう調整をして出しているらしいし、海外の音楽ソフトの会社の解説でも、音程の補正はプロの歌手も使う道具として紹介されていました。
ちなみに、さっきのnobodyknows+の動画では、歌詞を間違えた場面もそのまま公開されています。メンバーはインタビューで、失敗して「もう1回やらなアカンの?」と思ったけど、それは「ルール違反だけど」と話していました。失敗も出すんだ、というのが正直な感想で、少なくともこの動画は、見たときの雰囲気で本当に一発撮りだったと感じます。
それにしても、なんで公式は何も説明しないんだろう? 熱心に見ているわけではないわたしからすると、どうでもいいと言えばどうでもいい話。でも、ファーストテイクと名乗ってここまで大きくなった企画なら、何をもって一発撮りとしているのか、裏側を語ってもいい気がします。いろんな事務所のアーティストが出ているだけに、1本だけ本物だと説明すると、ほかの動画すべてにも同じ説明を求められそうで、かえって何も言えないのかな? 理由は、調べても分かりませんでした。
西川貴教は、口パクの指摘にどう返した?
本人は口パク疑惑を、自分からネタにした
7月14日、X(前のTwitter)で、55才であの格好をした人がまともに歌えるわけがない、みんなで検証しよう、と自虐で返した。「怪しいぞ」と自分の名前を入れたハッシュタグまで付けて、そのまま9月のフェスの告知へ。音楽ニュースサイトのReal Soundは「口パク疑惑も自虐で一蹴」と書いた。(Real Soundより)
探した範囲では、本人が口パクではないとはっきり言った発言は、見つかりませんでした。わたしもこの返しを見たとき、ちゃんと歌いましたという反論じゃないんだ、と思ったのを覚えています。正直、口パクは合っていたのかな、と一瞬よぎったくらい。

余裕のある自虐で、大人の対応にも見えるし、自虐がうまいのはさすが。でも、否定はしていない。皮肉のようにも見えて、逆に怪しい?とも思えてしまう、余裕にも見えるし、そうでもないようにも見える、微妙な返しです。本人の本音は、結局よく分からないまま。
騒ぎのあと、どうなった?
指摘のあと、人気は落ちるどころか、むしろ広がっていきました。7月22日にはTHE FIRST TAKE版の音源が配信され、同じ日に、ピアニストの清塚信也さんの演奏で「THUNDERBIRD」を歌う回も公開。8月7日の時点でHOT LIMITの動画は2,400万回再生を超え、その日は『ミュージックステーション』に出演、8月10日には6年ぶりにオールナイトニッポンの1部も担当しています。
「HOT LIMIT」の累積再生数が、自身初の1億回突破
9月16日発表のオリコン週間ストリーミングランキングで、累積1億59.8万回。1998年発売の曲が、28年たってサブスクで1億回を超えた形。(ORICON NEWSより)
騒ぎも追い風になったのかも。話題が話題を呼んで、気づけば1億回。人気は本物だったということかな。炎上はいつの間にか消えていた感じで、指摘した側のその後や、THE FIRST TAKEの公式の反応は、ニュースサイトでは見つかりませんでした。

じゃあ結局、口パクだったのか。証拠も公式の説明も無いので、答えはまだ出ていません。わたしは、もし口パクだったとしても、西川貴教の歌手としての価値がなくなるわけではないと思っています。でも、THE FIRST TAKEと名乗る企画である以上、ツッコミが出るのも、口パクならがっかりする人がいるのも当然。そもそも、一発でやってしまうアーティストのすごさや、生の臨場感を見る企画だと思うので。
その「HOT LIMIT」を、大みそかの紅白では初めて歌います。判断の材料は、もうだいたい出そろいました。

