街中で見かけるコミュニティバス、なんと100円という格安料金で利用できることが多いんです。
普通のバスと比べてかなり安いので、どうしてこんな料金で運行できるのか気になって調べてみました。
実は自治体の支援システムがあってこそ実現できている仕組みでした!
1. 自治体からの補助金が運行を支えている?
コミュニティバスの100円運行を支える最大の理由は、自治体からの手厚い補助金制度です。
実際のところ、100円の運賃だけでバス運行にかかる費用をすべて賄うのは、ほぼ不可能なのが現実でした。
中央区の江戸バスでは、100円運賃で運行していますが、これも区からの補助があってこそ成り立っています。
運行会社は利用者からの運賃収入と自治体からの補助金を合わせて、ようやく収支を成り立たせているという構造になります。
つまり、100円で乗れるのは、税金による補助があってこそなんです。
2. 国からの支援制度も活用されている?
コミュニティバスの運行には、国土交通省の地域公共交通確保維持事業など、国レベルでの支援制度も用意されています。
これらの制度では、地方の公共交通維持を目的として、運行費や車両購入費の一部を国が補助してくれるんです。
足立区では「はるかぜ」というコミュニティバスの車両購入費について、1台あたり上限2,500万円の75%を補助する制度を設けています。
国と地方自治体が連携して、地域の足となる交通手段を維持しようとしているわけですね。
3. 実は100円運賃の見直しも進んでいる?
ところが最近の動向を見ると、100円運賃の維持が難しくなってきている地域も出てきました。
千葉中央バスでは2025年3月1日から、これまで100円だった特別初乗運賃区間を値上げしています。
また朝日自動車でも2025年4月15日に、特別初乗運賃区間の100円を200円に改定しました。
・人件費や燃料費の高騰
・利用者数の減少
・自治体の財政圧迫
・車両維持費の増加
こうした背景から、100円運賃の継続が困難になっている地域が増えているということです。
千葉中央バス 2025年3月から100円→値上げ
朝日自動車 2025年4月から100円→200円
小田急バス 2025年10月から小児現金運賃を100円に値下げ(逆のケースもあり)
4. 武蔵野市ムーバスの成功例が広がった?
100円コミュニティバスの先駆けとなったのは、武蔵野市の「ムーバス」でした。
ムーバスは人口密度の高い都市部で運行しているため、利用者数が多く、100円運賃でも比較的採算が取りやすい環境にありました。
この成功事例を参考に、全国各地で100円コミュニティバスが導入されるようになったというわけです。
ただし、人口の少ない地域では利用者も限られるため、同じ100円設定でも採算面では厳しい状況になりやすいという課題もあります。
地域の特性によって、運行の持続可能性が大きく変わってくるということですね。
まとめ
コミュニティバスが100円で運行できるのは、自治体による手厚い補助金制度があってこそでした。
運賃収入だけでは到底賄えない運行費用を、税金や国の支援制度、さらには地域住民・企業からの協賛金で補っているという仕組みです。
武蔵野市のムーバスが成功例となって全国に広がったものの、最近では人件費高騰などの影響で100円運賃を維持できない地域も出てきています。
気軽に100円でバスに乗れるのは、地域全体で交通インフラを支えているからこそなんですね!