暑い日にアイスクリームをがぶっと食べて、突然頭がズキーンと痛んだ経験。
この現象には実は医学的な名前があり、明確なメカニズムも分かってきています!
今回はこの不思議な頭痛について調べてみました。
1. アイスクリーム頭痛って正式な症状なの?
この現象は医学的に「アイスクリーム頭痛」と呼ばれていましたが、現在は「寒冷刺激による頭痛」という名前に変わっています。
かき氷やアイスクリームなど冷たいものを食べた時に頭部に強い痛みを感じる一時的な現象です。
痛みは数秒後に起こり、30秒から60秒でピークになりますが、長くは続かず数分以内で治まるのが特徴となっています。
実はこの現象、10代の人では41〜78%もの人が経験しているという研究結果があります。
大人になると発症率は下がり、全体では約8%の人が経験するそうです。
片頭痛を持っている人ほど起こりやすいという報告もあり、普段から頭痛に悩んでいる人はより注意が必要かもしれません。
2. なぜ頭がキーンとなるの?
アイスクリーム頭痛の原因については、主に2つの有力な説があります。
1つ目は三叉神経説です。
冷たいものが口や喉を通るとき、顔の感覚をつかさどる三叉神経が急激に冷やされて刺激されます。
その結果、神経が混乱して冷たさを痛みと錯覚してしまうのです。
2つ目は血管拡張説です。
冷たいものを食べると急に口の中や喉が冷えるため、人間の身体は反射的に体温を上げようとして血流量を増やします。
その時に頭につながる血管が膨張することから、頭痛が起きるという考え方です。
どちらのメカニズムも、急激な温度変化が引き金になっているのは共通しています。
脳が場所を勘違いして、ホントは口の痛みなのに前頭部の痛みとして感じてしまうとも考えられているのです。
3. 急いで食べるとホントに頭痛が起きやすい?
カナダで行われた注目の研究があります。
中学生145人にアイスクリームを食べさせたところ、5秒以内に食べたグループでは27%にアイスクリーム頭痛が起こりました。
一方、ゆっくり食べたグループでは13%にしか頭痛が起きませんでした。
急いで食べると頭痛の発生率が2倍も多くなることが確認されたのです。
また、ドイツの研究では氷水と角氷での誘発実験も行われました。
氷水を一気に飲んだ場合は51%の人に頭痛が起こったのに対し、角氷を口に入れた場合は12%でした。
やはり急激で広範囲な冷却が頭痛を引き起こしやすいことが分かります。
4. 予防法はとっても簡単?
アイスクリーム頭痛を防ぐ方法は実はとても簡単です。
それは「ゆっくり時間をかけて食べること」です。
ゆっくり食べると口の中や喉の奥の温度が急激に下がるのを抑えられ、神経への刺激や血管の変化が起きにくくなります。
1. ゆっくり時間をかけて食べる
2. 上あご(口蓋)に冷たいものを直接触れさせない
3. 食べる前に水を飲んで口の中の温度を調整する
4. 温かいお茶で温度バランスを取る
これらの方法を試してみると、あのキーンとした痛みを避けやすくなります。
- 舌を上あごに押し当てて温める
- おでこやこめかみを冷やす
- 数分待つと自然に治まる
もし頭痛になってしまった場合の対処法もあります。
舌で口の中を温めたり、逆におでこを冷やしたりする方法が効果的とされています。
基本的には一時的な現象なので、慌てる必要はありません。
5. 遺伝や体質も関係している?
最近の研究では、アイスクリーム頭痛には遺伝的な要因もあることが分かってきました。
家族にアイスクリーム頭痛を起こしやすい人がいると、その子どもも同じ症状を起こしやすい傾向があります。
また、片頭痛の人は通常の人より6倍以上もアイスクリーム頭痛が起こりやすいという報告もあります。
年齢による違いも明確で、子どもの頃は頭痛が起きやすく、大人になるにつれて起きにくくなります。
これは神経の発達や血管の変化が関係していると考えられています。
情報については個人差があるため、自己責任で参考程度に留めることが大切です。
まとめ
アイスクリーム頭痛は医学的に認められた現象で、三叉神経の刺激や血管の変化が原因と考えられています。
研究でも急いで食べると発症率が2倍になることが確認されており、予防法は意外と簡単でした。
暑い季節にアイスクリームを楽しむ時は、ゆったりと味わいながら食べることで、あのキーンとした痛みを避けることができそうです!