秋のお彼岸が近づくと、多くの家庭でおはぎを用意する光景が見られます。
2025年の秋のお彼岸は9月20日から26日までの7日間なんですが、実際のところ、なぜお彼岸におはぎを食べるのか、その理由をしっかりと知っている人は意外と少ないかもしれません。
調べてみると、おはぎには魔除けの力と収穫への感謝という、とても深い意味が込められていることが分かりました!
1. 小豆の赤い色が邪気を払うってホント?
おはぎを食べる最も大きな理由のひとつが、小豆の赤い色が持つとされる魔除け効果なんです。
これは中国の陰陽思想から来ている考え方です。
赤い色は太陽や生命力を象徴する「陽」の色として、邪気を払う力があると信じられてきました。
日本でも古くからこの考えが根付いており、お祝い事にお赤飯を炊いたり、厄払いに小豆を使った和菓子を食べたりする習慣があります。
お彼岸という先祖を供養する大切な期間に、魔除けの力を持つ赤い小豆を使ったおはぎをお供えすることで、ご先祖様と家族を悪いものから守ろうとしたのでしょう。
昔の人にとって、赤い色は特別な意味を持つ大切な色だったんですね。
現代でも、この美しい習慣が受け継がれているのは素晴らしいことだと思います。
2. 江戸時代から続く特別なごちそうって?
おはぎが秋のお彼岸に食べられるようになったのは、江戸時代後期からといわれています。
当時の砂糖は現在とは比べ物にならないほど高価で貴重な食材でした。
おはぎには大量の砂糖が使われるため、まさに特別な日にだけ作られるごちそうだったのです。
お彼岸のような大切な行事で、こうした高級な材料をふんだんに使ったおはぎをお供えすることは、ご先祖様への深い感謝と敬意を表す方法でした。
江戸時代の砂糖の値段は現在の価値で1kgあたり数万円といわれており、庶民にとっては手の届かない高級品でした。
また、普段はなかなか口にできない甘いお菓子を家族みんなで食べることで、特別な日の雰囲気を盛り上げる効果もあったのかもしれません。
時代は変わりましたが、手間をかけて作るおはぎには、今でも特別な想いが込められているのでしょう。
3. 秋の収穫への感謝も込められている?
お彼岸におはぎを食べる理由には、収穫への感謝という意味もあります。
秋のお彼岸の時期は、ちょうど小豆の収穫時期と重なっているからです。
・春のお彼岸 豊作への祈願
・秋のお彼岸 収穫への感謝
・小豆 9月から11月頃に収穫される
新鮮で柔らかい小豆を使って作るおはぎは、その年の収穫に感謝し、来年もまた豊かな実りがあることを願う気持ちが表現されているのです。
自然の恵みに感謝する日本人らしい美しい心が込められた習慣といえるでしょう。
また、もち米も同様に秋の収穫物ですから、おはぎは正に秋の恵みを集めた食べ物なんです。
昔の人々は季節の移り変わりを大切にし、自然と共に生きていたことがよく分かります。
4. おはぎという名前の由来も秋と関係が?
「おはぎ」という名前自体にも、実は秋らしい理由があります。
これは秋の七草のひとつである「萩(はぎ)」の花から名前をとっているんです。
萩の花は小さくて可愛らしい紫や白の花を房状に咲かせる植物で、まさに秋を代表する花のひとつ。
おはぎの形が萩の花房に似ていることから、この素敵な名前が付けられました。
ちなみに春のお彼岸では「ぼたもち」と呼ばれますが、これも春の花である牡丹が由来となっています。
季節の美しい花に合わせて呼び名を変える、なんとも風情のある日本の文化ですね。
- 秋は収穫したての柔らかい小豆を使用
- そのため皮ごと食べられる粒あんが一般的
- 春は保存した小豆で皮が固いためこしあん
こうした細かな違いにも、季節を大切にする日本の心が表れているのかもしれません。
日本の美しい心が込められたおはぎ
調べれば調べるほど、秋のお彼岸でおはぎを食べる習慣には深い意味があることが分かりました。
魔除けの力を持つ赤い小豆、江戸時代から続く特別なごちそうとしての位置づけ、秋の収穫への喜び、そして季節の花から名前をとる美しいセンス。
これらすべてが組み合わさって、現在まで続く素晴らしい文化が生まれたんですね。
忙しい現代だからこそ、お彼岸の時期にはおはぎを味わいながら、こうした先人たちの想いに触れてみるのも良いものです。
もちろん、こうした情報の解釈については個人の判断にお任せしますが、きっといつものおはぎが少し違って感じられるはず!