日本のトイレ文化といえばウォシュレット!
海外からも絶賛される日本の代表的な技術だと思っていましたが、実は起源はアメリカにあったことが判明しました。
調べてみると意外な歴史があって、日本の貢献も想像以上に大きかったことがわかりました!
1.ウォシュレットのホントの起源はどこ?
ウォシュレットの起源を辿ってみると、たしかに日本ではありませんでした。
実際の始まりはアメリカにあります。
1960年代初頭に、広告業を営んでいたArnold Cohen(アーノルド・コーエン)という人物が開発しました。
父親が直腸の病気で痛みを抱えていました。
負担を軽減させるために様々な部品を組み合わせて、オリジナルの便座をサクッと発明したのです。
この装置はアメリカで医療・福祉施設用として販売されました。
手で拭けない人や治療目的などのために使われていて、当時は特殊な用途に限られた製品だったようです。
一般家庭への普及はほとんど進んでいませんでした。
2.アメリカから日本への伝来はいつ?
アメリカで開発された温水洗浄機能は、1963年から1964年にかけて日本に伝わりました。
日綿實業(現在の双日)という日本の商社が、アメリカで販売されていた「ウォッシュエアシート」にピンときて着目したのです。
当時の輸入の経緯をおまとめると、以下のようになります。
・病院の患者や高齢者向けの医療機器として注目
・1964年12月にTOTOが輸入販売を開始
・主に医療現場での利用を想定していた
・価格は一般家庭には手の届かない高額商品
しかし、この時代の製品には様々な問題がありました。
水を温めるスイッチが手動式だったり、水温が一定しなかったりしました。
温かい水を使い切ると冷たい水になってしまうといった不具合が続出していたのです。
3.日本独自の改良はどう進んだ?
アメリカから輸入された「ウォッシュエアシート」の問題点を解決するため、TOTOは1978年から独自の開発に着手しました。
日本人の生活習慣に合わせて、スムーズに使える製品を目指したのです。
開発チームは自らが実験台となって、便座の中央に針金を張り、正確な位置に紙を貼って数値化しながら改良を重ねました
そして1980年6月、ついに現在の「ウォシュレット」として製品化されました。
「レッツ・ウォッシュ(洗いましょう)」の語順を逆にしたネーミングで、日本人の生活に合わせた改良が数多く施されていました。
ただし、発売直後も課題は残っていました。
数カ月後に温水が出なくなるクレームが顧客から届きました。
当時の社長が全商品を回収して交換するという対応を取ったこともあったそうです。
4.なぜ日本で大成功を収めたの?
ウォシュレットが日本で大成功を収めた理由はいくつかあります。
まず、日本人の清潔志向の高まりが背景にありました。
テレビコマーシャルでの積極的な宣伝も効果的でした。
「おしりだって、洗ってほしい」というキャッチコピーは当時としては斬新で、多くの人の関心を集めることに成功しました。
また、体験機会の拡大も重要な要素でした。
商業施設での展開を進めることで、実際に使ってもらう機会を増やしていったのです。
詳細については各自でご確認いただくことをお勧めします。
累計出荷台数の推移を見ると、1980年の発売から1000万台突破まで18年1カ月かかりました。
その後は加速度的に伸びているのがわかります。
まとめ
ウォシュレットの起源を調べてみると、たしかに日本が最初に発明したものではありませんでした。
アメリカで医療用として開発された技術が始まりで、それを日本が独自に改良・発展させて現在の形になったのです。
起源は他国にあっても、日本の技術力と改良への取り組みが、世界に誇れるウォシュレットを生み出しました。
基本技術を輸入するだけでなく、日本人の生活に合わせて徹底的に改良した結果、逆に世界から注目される技術になったのはホントに素晴らしいことだと思います!