劇場版「鬼滅の刃」が世界中で大ヒットを記録している一方で、中国本土では一度も上映されていないという事実をご存知でしょうか?
日本のすぐ隣にある巨大市場で、なぜこの人気作品が観られないのか気になりますよね。
実は、これには中国独特の映画審査制度や文化的な背景が深く関わっているんです!
今回は、この謎について詳しく調べてみました!
中国本土では本当に一度も公開されていないの?
結論から言うと、劇場版「鬼滅の刃」は無限列車編も最新の無限城編も、中国本土では一度も正式公開されていません。
世界150以上の国・地域で上映が予定されている無限城編でも、中国本土での公開は現時点で未定となっています。
台湾では8月8日、香港では8月14日に公開されているのに、同じ中華圏でありながら中国本土だけが取り残されている状況なんです。
これは無限列車編の時も同じでした。
日本での公開から台湾での中国語吹替え版公開まではわずか20日間という驚異的なスピードだったにも関わらず、中国本土では映画館の上映スケジュールや前売り券の情報すら聞こえてこなかったのです。
実際に、中国の映画業界関係者の間でも「劇場での上映はナシということも十分あり得る」という見方が強まっているようです。
中国の映画審査制度はどれほど厳しいの?
中国で海外映画を上映するには、国家電影局による厳格な検閲を通過し、「映画上映許可証」(通称ドラゴンシール)を取得する必要があります。
この審査がとても厳しいんです!
中国の映画管理条例では、以下のような内容を含む映画は上映が禁止されています
・憲法に定められている基本原則に反する内容
・国家の統一や主権に危害を及ぼす内容
・民族の対立を扇動するような内容
・社会の秩序を乱すような内容
さらに、輸入映画には年間の本数制限もあり、2020年まで年間120本前後で推移していましたが、近年はさらに減少傾向にあります。
鬼滅の刃の場合、特に問題となるのが激しいバトルシーンや流血描写です。
もし仮に中国で上映する場合、主要なシーンがカットされることになり、上映時間が大幅に短縮されるだけでなく、物語の連続性も損なわれてしまいます。
一方で、カットせずにそのまま上映するには、青少年保護の基準に適合しないという問題があるのです。
中国のファンはどんな反応を見せているの?
中国の鬼滅ファンたちは、この状況にかなり困っています。
特に話題になったのが「香港まで行くしかない」という悲鳴のような声です。
実際に、中国本土のファンの中には、香港や台湾まで足を運んで映画を観に行く人もいるようです。
でも、すべてのファンがそうできるわけではありませんよね。
残念ながら、この状況は別の問題も生んでいます。
海賊版の蔓延です。
過去には劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の海賊版がネット上で大量に出回り、多くの視聴者が違法視聴をしてしまったことがありました。
最新の無限城編でも、日本国内の劇場で盗撮されたとみられる動画に中国語の字幕が付けられてSNS上に転載されています。
中国のネットユーザーからは「ありえない…」「盗撮には断固反対!」「これはさすがにやりすぎ」といった批判の声が上がっている一方で、「たとえネットに流れても、絶対映画館で見るよ。
雰囲気が全然違うから」という正当な鑑賞を求める声もあります。
結局のところ今後の展望はどうなの
調べてみた結果、劇場版「鬼滅の刃」が中国本土で公開されない理由は、主に中国の厳格な映画審査制度と作品に含まれる激しいバトルシーンが原因だということが分かりました。
中国には巨大な映画市場がありながら、文化的な違いや政府の規制により、世界的に人気の作品でも簡単には上映できないという現実があるんですね。
一方で、中国のファンたちは様々な方法で作品を楽しもうとしていますが、海賊版の問題なども起きてしまっています。
今後、中国の審査基準が変わったり、編集版での上映が実現したりする可能性もゼロではありませんが、現時点では難しい状況が続きそうです。
グローバルなエンタメ作品が世界中で同じように楽しめる日が来ることを願うばかりです!