中国発の人気キャラクター「ラブブ」を製造するポップマートの株価が、2025年9月に大きな下落を記録しました!
年初から3.6倍に上昇していた株価でしたが、わずか3週間で約2兆円もの時価総額が消失するという展開となっています。
1.ラブブの株価急落はいつから始まったの?
ポップマートの株価急落は、2025年9月15日の香港市場から本格化しました。
この日、株価は一時10%近く急落し、4月以来の大幅な下げ幅を記録したんです。
翌16日も下落が続き、8月26日の最高値339.8香港ドルと比べて約25%も値下がりしました。
この短期間での下落により、ポップマートは約2兆円近くという巨額の時価総額を失うことになったのです。
年初からは依然として180%超の上昇を保っているものの、8月のピーク時からの急激な変化に市場は驚きを隠せません。
2.急落の主な理由は何だったの?
株価急落の背景には、複数の要因が重なっています。
まず大きな影響を与えたのが、JPモルガンによる投資判断の引き下げでした。
同社のアナリストは「材料不足と魅力的ではないバリュエーション」を理由に、投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に変更したのです。
目標株価も25%下げて300香港ドルに設定しました。
現在の株価は完璧な状態を織り込んでおり、小さな業績の下振れやネガティブな報道が株価下落につながる可能性がある
さらに深刻だったのが、中国の二次市場での価格暴落です。
ポップマートが6月から供給戦略を変更し、生産量を大幅に増加させたことで、転売市場でのプレミアム価格が消失しました。
特に影響が大きかった変化を見てみると、
・フリマアプリでの価格が全体的に約50%下落
・最人気のシークレットモデルが4621元から1921元へ急落
・転売需要の大幅な減少
これらの状況が重なり、「ラブブバブル」の終わりを市場が意識し始めたのです。
3.市場関係者はどう見ているの?
投資の専門家たちは、今回の急落について冷静な分析を示しています。
ブルームバーグの報道によれば、アナリストは「現在の株価は完璧な業績を前提としているもので、小さな業績の下振れといったネガティブな報道が株価下落につながる可能性がある」と指摘しました。
実際、ラブブはブラックピンクのリサさんやデービッド・ベッカム氏など著名人にも支持されていたものの、中国の二次市場でかつてのプレミアム価格を失いつつある状況が明らかになっているんです。
英フィナンシャル・タイムズによると、ラブブのキーホルダーの二次流通価格は過去2カ月間で3割下落している状況です。
1. 株価収益率(PER)は約23倍で取引
2. ハンセン指数への組入れ直後の利益確定売り
3. 転売市場での希少性プレミアム消失
4. 投資家心理の変化
一方で、ポップマートはクリスマス前にアニメ作品とラブブの新バージョンを投入予定で、インタラクティブ玩具の発売も計画しているそうです。
4.今後の展開はどうなりそう?
ポップマートの今後については、専門家の間でも意見が分かれています。
JPモルガンのアナリストは「材料としての見通しは不透明」としながらも、同社の基本的な事業戦略には一定の評価を示しているようです。
2025年1〜6月期の決算では、売上高が前年同期の約3倍、純利益が約5倍という好調な業績を記録していました。
これはラブブ効果が存分に反映された結果で、基礎体力の強さを示しています。
今後の戦略として考えられるのは、
1. 新商品開発の継続
2. 生産能力のさらなる拡大
3. 海外市場での展開強化
4. ライセンス事業の拡充
ただし、転売需要に依存していた部分の調整は避けられそうにありません。
今回の急落は、健全な市場形成に向けた必要な過程という見方もできるでしょう。
投資を検討される場合は、これらの情報を参考に自己責任でご判断いただければと思います。
ラブブ株価急落は調整局面の現れ
2025年9月中旬に発生したラブブ関連株の急落は、過熱していた市場の自然な調整と考えられます。
年初から3.6倍もの上昇を記録していただけに、利益確定や投資判断の見直しが重なったのは想定の範囲内でした。
転売市場での価格暴落は一時的な混乱を招きましたが、本来のファン層による健全な需要は今後も続くと思われます。
ポップマートの基本的な事業戦略や新商品開発力を考えると、長期的な成長ポテンシャルは依然として高いのではないでしょうか!