バイクで走行中に一時停止の標識を見かけると、足を地面に着けないと違反という話をよく耳にします。
ただ、この常識的に思える情報が実は正確でありません。
ネット上で広がっているこの説には、意外な落とし穴があるんです。
1. 法律では何が定められているのか
道路交通法第43条には「指定場所一時停止」という規定があります。
ここで求められているのは、停止線の直前でタイヤの回転が完全に止まった状態での停止です。
実際の法律の条文を見ると、足を着くことについてはどこにも書かれていません。
では、なぜこんなに「足を着かなければ違反」という情報が広がっているのでしょうか。
2. 「足を着かなきゃ違反」という説は実は誤りだった
元警察官の情報によると、この説は実は誤りと判断されます。
一時停止違反のポイントは車両が停止線の直前で完全に停止しているかという一点に尽きます。
では片足はダメ、両足じゃなきゃダメという話はどこから来たのか。
実は、ネット上の誤った解釈が広がってしまった結果です。
ネット上での誤った解釈が広がったことが背景にあります。
警察官が視認的に「停止している」と判断する際、足の接地を参考にしている側面があります。
その判断と法律の条文が混ざってしまったんです。
3. リヤブレーキペダルと足の置き方の実態
マニュアルバイクでは右足をリヤブレーキペダルに置いて停車状態を保ちます。
両足を地面に着けるとリヤブレーキが操作できず、危険な状態になってしまいます。
教習所では一般的に「左足を地面に着いて、右足はリヤブレーキに置く」と教えられます。
停車状態を安全に保つには、むしろ両足を着けない方が正しいということになります。
4. 片足か両足かという区別に法的意味はない
巷では「片足じゃダメ」という話も聞きますが、これも誤った情報です。
法律は片足か両足かを区別していません。
重要なのは「車両が停止線で完全に停止しているかどうか」という一点です。
シート高が高いバイクに小柄な人が乗っていて、両足が地面に届かないというケースもあります。
そもそも両足を必須にすることは現実的ではありません。
停止線の直前でタイヤが完全に止まっていること。これが全てです。足の本数、どちらの足を着くか、どのくらい着いているか、といった細部は法的要件ではありません。
5. 実務上の注意点は法律とは別の話
法律上の要件と現場での警察の確認方法には、認識のズレが生じる可能性があります。
トラブルを避けたいなら、停止線でしっかり停止した上で、足を地面に着けるクセを付けておく方が無難です。
ただしそれは法的義務ではなく、現場でのやり取りを円滑にするための配慮という側面が大きいのです。
まとめ
バイクの一時停止について調べてみると、「足を地面に着けないと違反」という説は実は誤った情報だったことが分かります。
法律が求めているのは、停止線の直前で車両が完全に停止していることだけです。
足を着くことは法的要件ではなく、マニュアルバイクではむしろ右足をリヤブレーキペダルに置いておく方が安全という側面もあります。
知ってるようで知らなかった、というのはまさにこの落とし穴だったんです!