あのサクサクした食感と独特の風味で愛され続けているマクドナルドのフライドポテト。
でも、なんで他のお店のポテトとは違うあの特別な味がするんでしょうか?
実は、マクドナルドのポテトには長い歴史と企業の工夫が隠されているんです。
油の種類から香りづけの工夫まで、美味しさの仕組みを徹底的に調べてみました!
マクドナルドのポテトに隠された仕組みとは?
マクドナルドのフライドポテトがあんなに美味しいのには、実はしっかりとした理由があります。
日本のマクドナルドでは牛脂とパーム油のブレンド油を使用しています。
この油の組み合わせが、あのカリカリ食感と独特の風味を生み出しているというわけですね。
さらに、病みつきになる美味しさを生み出すため、2度揚げを行っています。
工場で軽く素揚げし、表面の水分が飛ばされたポテトは、そのまま急速冷凍されて店舗に届きます。
この工程があることで、外はカリッと中はホクホクの理想的な食感が実現されているんです。
使用されているジャガイモはアメリカ産の「ラセットバーバング」という、アメリカで古くから栽培されている品種です。
この品種は外はカリッとして中はホクホク、しっとり感もある食感を実現できる貴重な品種なんです。
何度もテストを繰り返して選ばれただけあって、フライドポテトにぴったりなんですね。
昔と今では使用している油が違うってホント?
これはホントの話で、マクドナルドのポテトの味は実際に変化しているんです。
90年代まで、アメリカのマクドナルドでは動物油を使ってポテトを揚げていました。
でも現在では植物油を使用するように変更されているため、昔の味とは多少違いがあるのは事実なんですね。
この変更には健康面への配慮が大きく関係しています。
動物油から植物油への切り替えは、より健康的な食品を提供したいという企業の方針転換だったんです。
ただし、植物油に変えたことで「味が落ちた」という声が相次いだため、マクドナルド側も対策を講じることになりました。
そこで考え出されたのが、香りづけとして牛肉のエキスを加えるという方法。
アメリカのマクドナルドでは「ビーフフレーバーを混ぜた植物油を使って調理している」と公式に認めています。
これによって、植物油を使いながらも、以前の美味しさに近い味を再現することに成功したんです。
植物油に変更したことで起こった大問題とは?
実は、この油の変更には思わぬ落とし穴がありました。
植物油を使用していると謳いながら、実際には牛肉のエキスが含まれていたことが後から明らかになったんです。
このことを知った菜食主義者や宗教上の理由で肉を食べない人たちから、大きな反発を受けることになってしまいました。
動物愛護団体のPETAまでもが「マクドナルドのポテトまでもベジタリアンに不向きだなんて」とマクドナルドを非難する事態に発展しました。
特に深刻だったのが、ヒンドゥー教徒の人たちからの抗議でした。
ヒンドゥー教では牛は神聖な動物として崇拝されており、牛肉を食べることは禁忌とされています。
この問題は大規模な訴訟にまで発展し、マクドナルド側は大きな代償を払うことになりました。
現在でも、アメリカのマクドナルドが使用している「Natural beef flavor(ナチュラルビーフフレーバー)」は乳由来成分なのでヴィーガンではありません。
一方、イギリスのマクドナルドでは「フライドポテトは動物の油脂や物質でコーティングされていません」と明記されており、国によって対応が異なっているんです。
店舗によって味が違う理由は?
同じマクドナルドなのに、店舗によって味がまったく違うと感じたことはありませんか?
これには明確な理由があるんです。
美味しい店舗とそうでない店舗の差は、ズバリ「マニュアルを守っているかどうか」にあります。
特に興味深いのが塩の振り方です。
実は創業当時から2013年まで、あの絶妙な塩加減は熟練の技によるものでした。
担当のクルーが使うのは、93個の穴が開けられた缶に塩が入った通称「塩缶」。
これを45度の角度で持ち、ポテトの20cm上から”M”の形を描くように振りかけて最適な量を調整していました。
現在では粒の大きい塩を使用していることが美味しさのポイントになっています。
でも、まずい店舗の特徴として挙げられるのは以下のような点です。
・ポテトを揚げるための油の交換を怠っている
・塩のディスペンサーを清掃していない
・作り置きの時間管理が適切でない
深夜の時間帯など客足が少ない時間でも、きちんとマニュアル通りに調理している店舗は美味しいポテトを提供してくれます。
逆に手抜きをしている店舗では、揚げたてなのになんだか物足りない味になってしまうんですね。
マクドナルドのポテトは企業努力の結晶だった
調べてみると、マクドナルドのポテトの独特な味は、長年にわたる企業の試行錯誤の結果だったんですね。
健康面への配慮から植物油に切り替えつつも、美味しさを保つために牛肉エキスを加えるという工夫。
そして宗教的な問題が起きた時には、しっかりと対応して改善を図る姿勢。
2度揚げの技術や特別な品種のじゃがいもの選定、職人技の塩振りまで、一つ一つに深いこだわりがあることも分かりました。
現在では環境問題にも配慮しながら、多様な食事制限を持つ人たちにも対応できるメニューを開発している点も興味深いですよね。
たかがポテトと思いがちですが、そこには想像以上に深い企業戦略と技術が詰まっているんだなって感じました。
次にマクドナルドのポテトを食べる時は、この複雑な背景を思い出しながら味わってみようと思います!