自転車で前の人を追い越そうとしたとき、一瞬だけ横並びになることってありますよね。
あれって実は違反になる可能性があるのですが、すべてが違反というわけではないんです。
自転車の並走ルールって意外と複雑で、法律の解釈も微妙なラインがあります。
気になったので、追い越しのときの並走がどこまで許されるのか、調べてわかったことをまとめてみます!
1. 自転車の並走は原則として違反
道路交通法の第19条では「軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない」と定められています。
自転車は法律上、軽車両という扱いなので、この規定が適用されるんです。
つまり、2台の自転車が横並びで走ることは、原則として違反になります。
違反した場合の罰則は2万円以下の罰金または科料です。
そんなに軽い罰則ではありません。
2. 追い越し時の一時的な並走は違反にならない場合がある?
ただ、大事なのはここからです。
追い越しのために並走する行為すべてが違反になるわけではないということ。
実は法律の解釈として、追い越しに通常必要とされる短い時間の間、自転車が並ぶのは「並進」に該当しないというのが公式な見解です。
要するに、追い越しの過程で一瞬並ぶくらいなら大丈夫ということですね。
ただし、ここが微妙なラインです。
追い越しに必要な時間を超えて並んで進行してしまうと、その時点で「並進」とみなされて違反になってしまいます。
3. 「並進可」の標識がある道路での扱い?
「並進可」という道路標識がある区間では、法律上2台までの自転車なら並んで走っても問題ありません。
3台以上は禁止です。
ただし、国内の公道ではこの標識がほぼ消滅しているんです。
かつては愛媛県などで見られたようですが、実質的には並進することは禁止されていると考えるべきです。
4. 追い越し時に気をつけるべきポイント?
実際に追い越しをするときにはいくつか注意すべきことがあります。
・後方から来る車や自転車がいないか確認してから進路変更する
・進路変更する際に相手に危険を与えないようにする
・やたらと長く並んで走らない
特に気をつけるのは、追い越しの過程で進路変更するときです。
後ろから来ている車や自転車の速度や方向を急に変えさせるようなことがあれば、それは違反になってしまいます。
5. 2024年11月以降の取り締まり強化と2026年の新制度?
2024年11月1日から道路交通法が改正されて、自転車の違反に対する取り締まりが厳しくなったんです。
信号無視やながら運転、そして酒気帯び運転などが対象になっています。
さらに2026年4月1日からは、自転車の交通違反に対して「青切符」という制度が導入される予定です。
これは自動車と同じく反則金の制度で、より一般的な取り締まり方になっていくということですね。
そのタイミングで、並走禁止違反に対しても反則金3,000円の青切符が適用されるようになります。
まとめ
自転車で追い越しのために並走するのは、その時間が短ければ違反にはなりません。
ただ、どのくらいが「短い」のか、どこからが「長い」のか、という判断は現場の警察官の解釈に左右される部分があるのが実情です。
基本的には、追い越しは素早く終わらせることが大事です。
もたもたと長く並んで走るようなことは避けましょう。
それに、並走そのものより、追い越しのときに後続の車や自転車に危険を与えないという方が、より重要な交通ルールなんだと思いました。