【紅の豚】ポルコが最後、人間の顔にもどった瞬間の意味

宮崎駿監督の名作『紅の豚』で、ずっと豚の姿だったポルコが人間の顔に戻るシーンがあるって知っていましたか?

実はポルコが人間に戻る瞬間は映画の中で2回登場していて、それぞれに深い意味が込められているんです!

監督自身の発言も交えながら、なぜポルコが人間の顔に戻ったのか、そしてなぜまた豚に戻ってしまうのか調べてみました!

ポルコが人間に戻った2つの瞬間

映画『紅の豚』の中で、ポルコが人間の顔に戻るシーンは実は2回あります!

📌 ポルコが人間に戻ったのはカーチスとの決闘前夜と決闘後の2回

1つ目は、カーチスとの決闘を控えた夜のことです。

フィオが寝ている横で、ポルコが弾丸をチェックしているときに人間の顔になっていました。

フィオがその姿を目撃しましたが、すぐに豚の顔に戻ってしまいます。

2つ目は、カーチスとの決闘に勝利した後のシーンです。

フィオがポルコにお別れのキスをした直後、カーチスが「おめぇ、その顔!」と驚いて叫んでいます。

このときポルコの顔は映されませんが、カーチスの反応から明らかに人間の顔に戻っていたことがわかります!

宮崎監督が語る人間に戻る理由

なぜポルコが人間の顔に戻ったのか、宮崎駿監督自身が興味深い発言をしています。

💡 監督によると「素に戻った時」と「ヒロインへの礼儀」として人間に戻る

監督は書籍『ジブリの教科書7 紅の豚』の中で、こんなふうに語っています。

「人間の顔に、本当の真顔になってしまうことも、豚にとってはあるかもしれない」

「ヒロインに対する礼儀として、フィオの心を思ったら、やはりちょっと真顔になってあげなければ」

つまり、夜中にひとりでいるときは、自分を取り繕う必要がないから素の顔になってしまうんですね。

また、フィオからキスをもらったときは、大切なプレゼントをくれた彼女への感謝として人間の顔で応えたというわけです!

フィオは「お姫様のキスで王子様が元に戻る」ことを期待していました。

ポルコはその気持ちに応えるために、一瞬だけ人間の顔を見せてくれたんです。

なぜまた豚の顔に戻ってしまうのか

でも、ポルコは人間に戻ったままではいられません。

宮崎監督は「ポルコはこの後すぐに豚に戻った」と明言しています。

ポルコにとって豚の姿こそが自然な状態

監督は「人間に戻るということがそれほど大事なことなんでしょうか」とも語っています。

「僕は豚のままで生きるほうがいいんじゃないかと思います」

「ときどきつい本音がでて真顔になったりするけれど、でも豚のまま最後まで生きていくほうが、本当にこの男らしいと思う」

ポルコが豚になったのは、戦争で多くの仲間を失った罪悪感や、軍隊に戻ることを拒否するためでした。

つまり、豚の姿は彼自身が選んだアイデンティティなんです!

だからこそ、一時的に人間に戻ることはあっても、すぐに豚の姿に戻ってしまうんですね。

ポルコの人間への変化は一瞬の優しさ

ポルコが人間の顔に戻った瞬間は、彼の優しさと愛情の表れだったんです!

一人でいるときの素の表情も、フィオへの感謝の気持ちも、どちらもポルコの本当の心を表しています。

でも彼は自分自身を許すことなく、再び豚の姿に戻って自分らしく生きていくことを選びました。

それは決してバッドエンドではなく、ポルコなりの生き方への決意だったんですね!

豚の姿でも、ジーナやフィオに愛され続けるポルコの物語は、本当に深くて素晴らしいです!